彼岸とは、中日の春分、秋分の日にご先祖様に感謝し、中日の前後3日間、計6日間を悟りの境地に達するために必要な6つの徳目「六波羅蜜」を一日に一つずつ修める期間とされています。
彼岸入り・・・布施波羅蜜=分け与えること(喜捨を行う)
2日目・・・ 持戒波羅蜜ー戒律を守ること
3日目・・・忍辱波羅蜜=耐え忍ぶこと、あるいは怒りを捨てること
中日 ・・・ご先祖様に感謝する日
5日目・・・精進波羅蜜=努力すること
6日目・・・禅定波羅蜜=特定の対象に心を集中して思いを静めること
彼岸明け・・・智慧波羅蜜=物事をありのままに観察し、本質を見ること・・・忍波羅蜜
<由来>
浄土思想で信じられている極楽浄土(阿弥陀如来が治める浄土の一種)は、西方のはるか彼方にあると信じられています。春分と秋分の日は太陽が真東から真西に沈むので、人々は西方に沈む太陽を礼拝し、死後極楽浄土に生まれ変わることを願いました。
本来は、生を終えた後の世界を願うものでしたが、いつの間にか生を終えて、すでにあの世に逝ったご先祖様の霊を供養する行事として定着していきました。こうして、彼岸は御墓や仏壇にお花を御供えして、ご先祖様の御霊をお慰めする大切な行事になっていきました。
仏前に花を供える由来は、3日目の修行 忍辱波羅蜜 ニンニクハラミツ からきているともいわれています。花が自然界の厳しい環境、雨露風雪に耐えてようやく咲く姿、もしくは根から切り離され花瓶に供えられた後も命尽きるまで懸命に咲き続ける姿から、人間の仏に対する修行の誓いとして花をお供えするようになったそうです。お花をお供えするのには大切な意味があったんですね・・・。